駐在妻とは何なのか
駐妻ライフは女性の憧れなの?
駐在妻と呼ばれるのに対する正直な気持ち
夫の海外駐在に帯同する予定であるというと、周りからはほぼ100%羨ましがられました。赴任地がイギリスであると尚更。確かに数ある赴任地の中でも先進国であるアメリカや西ヨーロッパというのは女性に好まれる場所かもしれません。
でも、私の場合はそもそも駐在「妻」に対してどちらかというとあまり良く思っていませんでした。実際は楽しいことばかりな訳ではないのに、勝手に煌びやかで豪遊できる生活を描いている人が多く、イメージが先行している言葉だったから。
そんなこともあって、周りから「駐在いいな〜」と言われるたびに帯同への思いが無くなっていきました。自分のしたいことや軸を見つけていないまま、楽しそうな生活に釣られて渡英する自分は嫌だなとも思っていました。こういった理由もあり夫の転勤が決まっても、すぐには帯同しませんでした。駐在妻になりたくない、と、ちょっと意地になっていた部分もあったかもしれません。社会人歴が浅かったということもあり、まずは自分自身が日本の社会で自立して、イギリスに来る意味を見つけてから渡英するかどうかを決断しようと考えました。
遠距離生活を経て
夫と離れてからの2年間は常に帯同のこと、仕事のこと、将来のことで悩む日々が続きました。イギリスに来る意味、駐在妻として自分ができること、夫婦としてできることを考えられるだけ考えたつもりです。
最終的に自分の中で出た結論はこうでした。
家族は一緒にいるべき
閉ざされた自分のキャリアはイギリスでまた切り拓けば良い
自分達が夫婦としてより成長する為に一緒に暮らしたい
夫を支えたい
・家族は一緒にいるべき
夫の赴任当時、イギリスはテロ事件が多く発生し、ブレクジットも決まって、国内が大混乱していました。極端な例にはなりますが、もし万が一のことがイギリスで起こってしまった時、私は帯同しなかったこと、側にいなかったことを一生後悔すると思いました。
・閉ざされたキャリアはまた切り拓けば良い
キャリア、キャリアって言うけれど、自分の求めるキャリアってそもそも何だったんだろうと振り返ることがあります。駐在妻としてイギリスで生きていくのも立派なキャリア。そこで何をするのか、どう過ごしていくのか、がキャリア形成する上で本当に大事なことに気が付きました。過ごし方によっては駐妻生活=遊びにもなるけど、一方で駐妻生活=キャリアにもなりえるということですね。
・自分達が夫婦としてより成長する為に一緒に暮らしたい
私は今の夫とお付き合いを始めてから人間的に成長できました。夫婦としてもっとお互いがお互いを高めることができれば、それ以上良いことはありません。離れていても会話はできるけど、一緒に生活をすれば見えてくることがもっとあると信じていました。
・夫を支えたい
今までの私の中で一番の支えになったのは言うまでもなく両親であり家族です。辛い時に近くで支えてくれた家族の存在は本当に大きかった。そして夫は今、1人海外で頑張っている。家族として共に人生を歩み始めた夫に対し、今度は私が力になりたいと強く思うようになってきました。
離れて生活すると思っていた以上に気付くことがいっぱいあって、遠距離を続ければ続けるほど渡英への思いが強くなったんだと思います。こう考えるようになった時には、昔自分が抱いていた駐在妻になることへの嫌悪感が不思議と無くなっていました。
駐妻という言葉に対する今の思い
駐在妻といってもひと昔前のようなイメージの生活をしている人はごく僅か。社内の駐在妻お茶会なんぞ、バブルが弾けた後に生まれた私から言わせれば何時代の方ですか?という感じです。
数年前の私と違って今の私は胸を張って駐在妻ですと言えます。それは自分なりに納得できる生き方をしているからなのかな。